重い十字架

十字架 (100周年書き下ろし)

十字架 (100周年書き下ろし)

 非常に良かった。
 「いじめを見て見ぬふりをするのは、いじめに加担しているのと同じ。」 だと言われている。いじめを受ける側にすれば、周囲の誰かが一刻も早く自分を救い出してくれることを願うことだろう。だが、いじめを目撃した時に勇気を持って制止できる者が何人いるだろうか。
 主人公は若くして大きな十字架を背負わされる。傍観者だったために。成人ならばまだしも、十代で背負うには あまりに重かったことだろう。だが、子供達を取り巻く状況は、命さえも奪いかねない現実に陥っている ということだ。家族は、教師は、大人達は、子供達は どう関わっていくべきなのか、考えさせられた。